イギリス暮らしの今とロックダウンの先行き
イングランドで3度目のロックダウンが続く中、実際の暮らしはどのような状況か?
私の状況を基準に、とはなりますがご紹介したいと思います。
在宅勤務
私は1度目のロックダウンが始まった2020年3月からすぐ、在宅勤務を開始しました。
ロックダウン中在宅勤務をするのは、政府指示である事と事務所内感染を防ぐための2つの理由がありますが、その他に助かった点としては、当時激混雑していたスーパーで必需品の買い出しに出かける際、空いている時間を選んで行けた事です。
朝一はkey workerやリスクの高い方々向けの時間とスーパーが設定した事もあり、勤務時間前の買い出しは少し難しくなりました。
就業時間後に買い物へ行くことも可能ですが、一時の買占めにより遅い時間に行くともう物が無いという状況でしたので、時間の柔軟性が出来たのはとても助かりました。
在宅勤務の実態としては、当初は短期的な在宅勤務になると思っていたので家にあった机に有り合わせの椅子を使う状況で、腰や肩など身体にきつい在宅勤務となりました。
2度目のロックダウン頃になって、健康管理も踏まえて設備のアンケートを会社が実施してくれ、その結果を考慮して適切な椅子の導入をしました。
おかげで、現在は快適な仕事環境が整っています。
3度目のロックダウンでも「Work from home if you can」という政府指示が残っているので、私たちは夫婦ともども相変わらず在宅勤務を継続中。
フル在宅勤務が始まって今ではもう約1年となりました。
必需品の買い出し
先にも書きました通り、ロックダウン中は必需品の買い出しのみ許可されており、必需品以外の衣類、雑貨、本屋などの店舗は営業していません。
とはいっても、Click &Collectというオンラインで注文して店舗で受け取りする形の店舗営業は許可されています。
必需品を扱うお店として営業しているのは、主にスーパー、肉屋や魚屋といった専門店、ドラッグストア、ガーデンセンターなどです。
ロックダウン中はスーパーへの入店者数の制限も厳しく、1世帯あたり一人となっています。入口にはスタッフが待機しており、店内人数を管理。一人出たら一人入店可という管理です。
スーパーによっては、入口に赤と青の信号のようなライトが設置され、信号が青になったら一人ずつ入店可能、というスタイルのお店もあります。
1度目のロックダウンでは長蛇の列となっていたスーパーも、2、3度目のロックダウンとなると、入店時に並ぶ事はほとんどなくなりました。休日の午後や一部小型店では列に並ぶ事もありますが、並んでいる時間はだいぶ短くなりました。
お店とタイミングによりますが、かなり並んでも10分~20分程です。
オンラインスーパーに目を向けると、1度目のロックダウンでは感染を避けるためオンラインスーパーの需要が急に増えたことでスーパーや配達員のキャパオーバーとなり、デリバリーの新規利用者登録が出来なくなったり、配達枠が満杯で予約できない、という状況が続きました。
スーパー各社枠を広げたりと対応は取っていたので、どこかのタイミングで利用可能性は広がっていたと思いますが、スーパーでの買い出しが唯一の楽しみ、気晴らしになっていた私たちは、ずっと店舗での買い出しを継続していました。
ただし頻度は週に1、2度と制限して、また、スーパーのルールに従い、買い物はどちらかが一人で行くようにしていました。
その後3度目のロックダウンで流行し始めた変異種の強い感染力が心配になり、さすがに私達も最近オンラインスーパーの利用を始めました。
配達枠は若干取りづらく、今日予約すると5日~1週間後の日付がなんとか取れる、という位。1週間、2週間先の献立を考えて前もって注文するという難しさです。
とはいえ何度か使ってみるとだんだん1週間献立のリズムが掴めるように。
オンラインスーパーの注文方法も2度くらい使うと便利さがわかってきました。
実は1度に全て注文する必要はなく、とりあえずいくらか購入して配達枠を確保してしまえば、配達日前日23時までなら購入品の変更は自由。
それからは便利に使えるようになりました。
ところが先日、配達日にスーパーから電話が入り配達員が体調不良で今日配達できないとのこと。結構かつかつに献立を組んでいたので焦りましたが、最寄りのスーパーでの受け取りも可能だとの事で出向く事にしたのです。
しかしトラブルは重なるもので、2週間ほど動かしていなかった車のバッテリーが上がってしまい受取りにも行けなくなり、結局配達は後日に延期する手続きをとり夕飯は冷凍品など余り物でしのぐ事となりました。
この時学んだのは、配達員も少ない人数で回していて代理など融通が利かないのだということと、ぎりぎりの献立や配達手配は危険ということ、そしてロックダウンでステイホームだとはいえ、週に1、2回は車を走らせなければならないということでした。
ロックダウンの緩和・脱却に向けて ~3度目の正直なるか~
そんな中、ロックダウン解除に向けたロードマップが英国政府より発表されました。
以下に記載する日程は、あくまで「早ければ、」の日程です。ワクチン接種の進捗と効果、感染者数や入院者数によってはこの日程より遅くなる可能性があります。
何があっても、この日程より早くなることはありません。
3月8日~
まずは通学再開から始まる見込みです。
仕事の為の外出は今まで通り、在宅勤務できる人は在宅勤務という指示が続きます。
必需品以外のお店も引き続き店舗は休業。
正直、あまり変化はありません。
一つ許可されるようになるのは外でのレクリエーション。同一世帯の他に一人とだけ、外でソーシャルディスタンスを取って会う事ができるようになり、また外で飲み物を飲んだり、ピクニックもできるようになります。
今までは必需品の買い出し、医療目的、自宅でできない仕事目的、1日に1度の運動のみが許可された外出でしたので、3月8日からは外でゆっくり息抜きする事が出来るようになります。徐々に暖かくなる季節、外でゆっくり美味しい空気を吸いながらリラックスできるのはとても嬉しい事です。
3月29日~
ここからもう少し社会生活の緩和が始まります。
まず、屋外であれば自分と同一世帯以外の人最大5人または別の一世帯と面会できるようになります。例えば、自分一人の場合、友達5人と外でソーシャルディスタンスを保った状態であれば会うことができます。自分を含めて合計で6人のグループで会えるということで、6人ルール(Rule of 6)と言われています。
このルールは、1度目のロックダウンから抜け出そうとした時に経たルール。
あの時は、その後また感染者数が増えて現状に至ってしまいましたが、今回は感染者数を抑えて保てるのでしょうか。。
その他、屋外のスポーツ施設も再開予定。
お出かけに関しては基本ルールは変わらない見込みです。
4月12日~
ここからは経済が開き始めます。
ジム等の屋内施設が再開される他、屋外で営業される動物園、テーマパーク、ロックダウンで流行った車に乗ったまま見れるシネマなども再開見込み。
必需品以外も含むすべてのお店が再開されたり、宿泊を伴う国内旅行も解禁見込み(ただし宿泊するのは同一世帯のみ)。国内では人が大きく動き出すことになりそうです。
でも海外旅行はまだ禁止。
その為、旅行を待ち焦がれた人などイングランド内の国内旅行に行こうとする人はかなり増えるのではないでしょうか。
実際、この緩和スケジュールが発表されたのち、旅行の問い合わせや予約が大きく増えたというニュースもありました。
待ちに待った、以前に近い日常が戻りそうです。
5月17日~
ここからは更に屋内施設の開放が始まります。
屋内のレストラン、博物館、映画館が再開され、屋内での団体競技も許可されます。
スポーツ観戦も、会場の規模に合わせて一定の観戦が許可される見込みです。
屋外では、6人ルールが解除され30人まで、そして屋内では6人ルールが認められるようになる見込み。友人とのレストランでの食事なんかもできるようになりますね。
仕事に関しては、Work from home if you canの原則が続きます。
海外旅行への制限解除は、現時点では要検討との付記がついており、今後のデータ次第のようです。
6月21日~
早ければ、ここで本格的なロックダウンおよび全法的制限の解除となります。
同一世帯以外との面会など社会的接触に関する制限の一切の解除、ナイトクラブの再開、大規模イベントの許可などです。
海外旅行も解放される見込みです。
おわりに
以上ポジティブな緩和へのロードマップが発表されたことは喜ばしいことですが、残念なことが多々。
まだ3月8日になっていないのに、各地で既に公園でピクニックを楽しんでいる人がSNSやニュースで沢山見られます。
そして、まだ入場制限されているはずのスーパーも複数人で買い物に来ている人が増えています。スーパーの入口には管理するスタッフがいつも通り座っているのですが、もう制御するのが面倒になってしまったのでしょうか。
3度目のロックダウンはプラン通り解除され、そして日常に戻れるよう、イングランドの皆さんにはぜひ自分を律して頂きたいものです。
Shikka