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Sourdoughを作る~生地作り編・備忘録2~

手作りのスターターが完成したら、さっそくSourdough(サワードウ)を焼きましょう。

今回はStarterのレシピも参照したPaul Hollywoodの基本のサワードウレシピで作ります。

以下の3点についてまだよく判らなかったので、条件を変えて3度同じレシピでサワードウを焼いてみました。

  • スターターの完成を見極める・ベストコンディションはいつ?
  • サワードウの生地固さはどれくらい?
  • サワードウの発酵時間と発酵具合の見極め方法

成功例、失敗例とポイントを備忘録としてまとめてみます。

スターター編・備忘録1はこちら

tash-tsubo.hatenablog.com

スターターの完成を見極める

私が参照したスターターのレシピでは、最後のフィードをしてから24時間以内に嵩が倍増し気泡が良く出ていれば完成、パンを焼く段階に進める、との事でした。

今回初めて作り、そして完成したスターターはこちらの写真。

以降の説明で判りやすいよう、スターター1号と名付けましょう。

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完成(と判断)したスターター1号

輪ゴムの位置が、最後のフィードをした段階でのスターターの高さ。

写真でご覧いただける通り、スターター使用直前のこの段階では、嵩は1.5倍増程度にとどまっており、求めていた2倍までは増えていないことがわかります。

実際には、最後のフィードをしてからすぐ、ぐんぐんと嵩が増えだしたものの、24時間が経つ頃には少しずつしぼんでしまい、最終的に24時間後の段階で1.5倍の高さになったという状況です。

スターター作りにかなり時間が掛かったためもうこれ以上待てなかったという実情もありますが、気泡はよく出ており、また容器を振るとゆるいゼリーのようにふるふると揺れる様子がみてとれたため、この状態のスターターで初めてのサワードウ1号を焼いてみることにしました。

「ゆるいゼリーのような様態」ですが、これは様々なサワードウのレシピの中で完成時の様子として描写されています。

これ以降、私は更にフィードを続けたサワードウで合計3度のサワードウを焼きましたが、スターター1号が最後のフィードから24時間時点では嵩のピークを越えてしぼみ始めていた事を考慮し、スターター2号では生地を捏ね始めたい時間の12時間前に最後のフィードをする事を目指し、スターターの最後の発酵時間を短縮しました。

実際、沢山のレシピを見てみると、24時間置くケースもあれば、12時間しか置かないケースもあります。特にスターターを保管する場所の温度と自分のスターター元ダネの発酵力とスピードを経験から学んでいく必要があります。

スターター2号に最後のフィードしてから12時間置いた状態がこちらの写真です。

良い感じにボリュームが倍増しています。

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スターター2号 12時間後の状態

スターター3号も同様に12時間発酵で様子を見た所、安定して2号同様の発酵度合いを得ることができました。

完成を見極めるコツは自分のスターターのボリュームがちょうど2倍になるタイミングを知る、ということ。

もしスターターの発酵度合いが早いようであればレシピの指示に固執することなく、半分の12時間にするなど柔軟に試してみる事をおすすめします。

生地の固さ・柔らかさはどれくらいを目指せば良い?

スターターが出来たところで早速生地を作っていきましょう。

参照したレシピはPaul HollywoodのClassic sourdough breadです。

英語レシピ(公式)→Classic sourdough bread recipe - BBC Food

材料:

強力粉 375g

スターター 250g

ぬるま湯(35~40℃) 130~175ml

塩 7.5g

オリーブオイル 適量 (くっつき防止です)

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計量しました。

作り方:

まずは各材料を計量しましょう。

スターターは、瓶の中で全体をよく混ぜてから計量します。

 

1.強力粉のボールに計量したスターターを全て入れて全体を混ぜます。

ゴムベラやスクレーパーを使うと便利です。

2.1にぬるま湯を追加しますが、固さを見ながらすこしずつ追加します。まず半分入れて混ぜてから、固さ次第で追加、という感じです。目標は柔らかめです。

私の場合は175ml全量加えていつもちょうど良いです。

3. そのまま捏ねられる場合は薄くオリーブオイルを敷いた土台で生地を捏ねます。

※もし生地が柔らか過ぎて捏ねにくい場合は、15分程そのまま置いておきます。

この少し放置する工程をAutolyse(オートリーズ)と言うそうで、この工程があるレシピと無いレシピがあります。オートリーズの記載がないレシピであっても、柔らかすぎる場合は試してみてください。

少し放置することで粉が水分を吸い自らグルテンを作り出すのを待つ工程で、これにより柔らかい生地が扱いやすくなります。

オートリーズする場合は、粉と水分がざっくり混ざっていればOKです。

乾燥防止に、濡れ布巾やラップをかけておきます。

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1と2の工程が終わった状態。

4. オートリーズを終えたら塩をふりかけ、薄くオイルを敷いた土台で生地を捏ねます。捏ね方は普通のパンと同じ。

10分位を目安に、グルテンの膜ができるまで捏ねます。

※上手にできていれば、もっちモチと弾力があって伸びの良い、気持ち良い生地ができます。備忘録1に掲載している動画で登場するスターター1号で作ったサワードウは、正直固すぎでした。

分量は完全に同じなので、生地の伸びや仕上がりが固い場合は、スターターの出来栄えが問題だったのだと思います。

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捏ね始め

5. 捏ねあがったら丸めてボールへ戻し、1次発酵です。レシピは5時間ですが、室温によって発酵具合は大きく変わるので時間に頼らず1時間おき位に確認しましょう。

確認方法は次項で紹介しています。

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捏ねあがり、1次発酵へ

 

6. 発酵が完了したらガス抜きをして丸めなおします。閉じ目を上にして、粉を振った発酵かごに入れて4時間~8時間の2次発酵です。

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7. オーブンを220℃に予熱しておきます。その際、オーブンの下段に大き目の耐熱容器を入れておきます。また、スチーム用に熱湯を用意しておきましょう。

8. 発酵が完了したらオーブンシートに取り出しクープを入れ、軽く霧吹きをします。

パンをオーブンに入れたら、先に入れておいた耐熱容器に熱湯を流してスチームを発生させます。この状態で30分、その後温度を200℃に下げて15分焼いたら完成です。

 

サワードウの発酵時間と発酵具合の見極め方法

パンのレシピには、目安の発酵時間が必ず記載されています。

しかし、実際の発酵具合は室温と生地の仕上がり具合によって大きく変わってしまう為、レシピの目安時間に固執せず、自分の生地の見極め方を知っておくことが重要です。

下記でご紹介する写真のように、途中で確認せずレシピの時間が経過するまで放っておくと、環境によっては過発酵になる可能性があります。

出来上がりのパンとしては全然美味しいんですが、生地がダレてしまってクープが上手に入らない、焼きあがっても生地の膨らみが悪いなど、仕上がりの悪いパンになってしまいます。

1次発酵、2次発酵それぞれでのおすすめの見極め方を以下に紹介します。

1次発酵

1次発酵完了の見極めには、軽く強力粉を付けた人差し指を第一関節まで生地に挿します。

指を抜いた後に指の痕が生地に残り、くぼんだままであれば発酵完了です。

穴がすぐに戻るようであれば発酵を継続します。

もし指を挿してガスが抜けてしまうようであれば過発酵、次回から発酵時間を短くするか、もう少し温度の低い場所で発酵してみましょう。

2次発酵

2次発酵の完了見極めは、指を挿せないので代わりに指の腹で軽く生地を押してみます。

押して痕がうっすら残るようであれば完了です。

すぐ戻ってしまうようであれば、発酵を継続します。

参考に、スターター2号で作ったサワードウ2号の写真を載せます。

レシピの発酵時間まで放っておいたせいで、こんなに過発酵してしまいました。

かごから取り出してクープをようとしても、過発酵のせいで生地がダレてしまい、クープもうまく入りませんでした。

ただし、こうなってもまだ美味しいパンは焼けましたので気落ちせず最後まで焼きましょう!!

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2次発酵完了-この写真は過発酵です(涙)

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過発酵の影響で皮もヨレヨレ、上手にクープが入りません

最後に

おわりに、完成したサワードウの写真を掲載します~

サワードウ1号から3号まで、成長をご確認いただけるのでは無いでしょうか!?

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サワードウ1号

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サワードウ2号-過発酵でもこんな仕上がり

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サワードウ3号-確実にレベルアップした気がする!!

回を増すごとに自分で工夫をしていき、理想のサワードウに近づいていく…

化学の実験のようなそしてベイカーの達成感を満たしてくれるような、そんなパン、サワードウ。ぜひ作ってみてくださいね!

 

Shikka