スペルト小麦でパン作り
新型コロナウイルスによるイギリスのロックダウンが始まる直前1週間ほど前から買い占めによりトイレットペーパーが棚から消え、その後イタリアでパスタが無くなったとニュースで言われ始めたころからイギリスでも乾物が突然棚から消えました。
その後ロックダウンとStay homeが始まり皆が家で料理やお菓子作りを盛んに始めたころ、気づけば今度は粉類が無くなりました。
1週間に1度の買い出しの度にまずは粉類の棚に向かい、在庫有無確認が今では私のおルーティンになってます。
……とある日、粉類の棚にポツンと置かれた商品を3袋発見!
それは聞いたことのない「スペルト小麦」というものでした。
スペルト小麦ってなに?
袋を見るとancient relative of modern wheatと書いてあります。
また、旧約聖書に登場すると説明が。
調べてみると、小麦の原種にあたる古代穀類だそう。9000年以上前にヨーロッパで既に栽培されていたことが研究により証明されていて、旧約聖書に出てくるというのも頷けます。
小麦の原種にあたるためほとんど人工的な品種改良がなされていないため強靭な植物で、天候変異やさまざまな土壌条件に対応できる強さがあるそう。化学的な農業資材を使わずに栽培できるらしいです(まじか…)。でも収穫量は少ないのかな?
イギリスのスーパーでは1kgあたり£2ですが、日本で購入するとヨーロッパからの輸入になる為お高めです。
これはヨーロッパにいる間に試しておきたい小麦かも👍
日本で是非お試しされたい方はTOMIZ富澤商店さんから購入できます↓↓
他の利点として、低グルテンであったり、栄養価が豊富なのもスペルト小麦のよいところ。
一般的な小麦の栄養成分は表皮や胚芽に含まれていてこれらは加工中に除去してしまう部分=栄養成分が除去されてしまうのですが、スペルト小麦は穀物の内部に栄養価を持っているため、自然と栄養価が小麦粉に残るのだそう。面白い!
必須アミノ酸やポリフェノールが含まれている他、消化しやすい、低グリコーゲンなので糖尿病の方にも良いとされているそうですよ!
私が購入したDoves farmのWhite spelt flourでは、粉の見た目は普通の小麦と全く同じ。でもこれでパンもお菓子も作れるようです!
とっても歴史のある、不思議で万能な小麦なようです。
スペルト小麦でパンを焼いてみる
スペルト小麦のパンは、パッケージの裏面で一番最初に紹介されています。なのでパンを作るのが一番おすすめなのかな?ということで、作ってみました!
捏ね具合がパッケージではわかりずらかったので、cookpadで写真付きで紹介されていたものを参考にしましたよ😀 ※ショコラのネコさんの基本のパン生地レシピです。
イースト、塩、ぬるま湯を混ぜた所にスペルト小麦を入れると、すぐ強い粘りが!!
この後粉のダマがないよう良く混ぜないとならないのですが、弾力がすごくって生地の内側に指が届かないほどの反発力。混ぜにくかったですが、混ぜた後はこんな感じ↓
捏ねる必要は無いパンなので、混ぜるだけ。
捏ね作業って結構疲れるので、そこはラクチン。
混ぜる際生地はとーーっても柔らかいので手にすごく付きますが、剥がそう引っ張ってみると結構手から生地の離れは良いです。不思議な感触。
ここから室温で2時間置きます。
……1時間後に見てみたら大変なことに!!!
この時、生地にはふつふつとガスの泡が沢山できていて、まるで生きてるみたいでした…
ということで、このまま2時間も置けないので大きいボールに移します。
もうこの時点で発酵が十分だった可能性もありますが、室温はそんなに高くなかったので規定の2時間まで発酵してみます。
(今考えると、3倍くらいに膨らんでるし、過発酵だったかもね;)
2時間経った時点では若干膨らんだ?という感じ。途中で容器から移したりして触っちゃったのでガス抜けちゃったかなとちょっと不安になりましたが、レシピ通りここで発酵は終わりにして冷蔵庫で翌日まで寝かせます。
冷蔵庫では10時間位寝かせまして翌日の生地の様子↓↓
今回日本の方のレシピで作りましたが、粉のパッケージの分量と比較するとパッケージの方が結構水が少なめでした(60ml位ちがった)。スペルト小麦自体はほとんどヨーロッパ産だと思いますが、次回作る時は水分量もう少し減らしても良いかもです。
さて、分割と成形に入ります。。が、生地が柔らかすぎる。。!!
天板に乗り切らなかった生地を上から乗せる形で追加したので、溶けた雪だるまみたいな見た目になってます笑
本当は、丸パンにして、クーペ入れてバター乗せて焼こうと思ってたのに、ムリ…
焼く前に粉を薄く振って230度で20分焼きました。
くっつきフラットブレッドみたいなものが出来ました笑
でも切ってみると、皮がバケットみたいにパリパリとして良い感じ⁉
中身も空洞になったりしてないし、意外と大丈夫かも‼ 断面の様子も上の写真に入ってますよ。
そして食べてみると、うわさに聞いていた通り小麦の味が噛めば噛むほど美味しいやみつきになる味♡バター付けて食べてみたけど、バターなしの方が風味が感じられて美味しいかも。
少し時間を置くと、中はもっちもちの食感になりました。ポンデリング作れそうな位もちもち。プレーンなパンなのでご飯と一緒に食べても美味しかったです。
ということで、見た目はアレですが味わいは美味しいスペルト小麦のパンでした。
若干過発酵か生地水分が多すぎにより失敗した感はありますが、まだもう1バッチ分粉があるのでまた作ってみたいと思います。
ロックダウンの最中、偶然出会ったスペルト小麦。
ヨーロッパ特有の小麦をこんな形でも知れて良かったです。
スペルト小麦パンについて詳しい方いらっしゃいましたら、ぜひ失敗の要因をコメントにて教えて頂ければ嬉しいです!改良してまた挑戦します!
Shikka