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【2020年版】ブリティッシュ・ベイクオフ 5週目はペイストリーウィーク

10月20日に放送された第5週目はペイストリーウィークでした。

ペイストリーは得意科目だ!と喜ぶ参加者もいれば、少しのミスが大きな失敗に繋がる…と警戒態勢の参加者も。

バターの混ぜ具合や焼き具合の過不足によってSoggy bottom(パイの底がしっかり焼ききれずべちゃっとした生地になってしまった様子)になってしまったり、反対にSoggy bottomを警戒して具材にドライな物を選択した結果、全体的に乾燥したドライな仕上がりになってしまったり…とバランスが難しい科目です。

さて、どのような素晴らしいお菓子が登場するのか!?そしてだれがStar Bakerになるか、誰が去ってしまうのか!?続きをどうぞ!

5週目はペイストリーウィーク Pastry week

第1の課題Signature bakeはCornish Pasty。

イギリス南西部コーンウォール地方の伝統的なごはん系焼き菓子で、クッキーのようなショートクラスト生地または日本でいうパイのようなパフ生地のいずれかの生地で牛肉と根菜を包んで焼いたものが伝統的な味わいです。

昔炭鉱で働く作業員の方はこのコーニッシュパスティをお弁当として仕事場に持参していたそうで、その際はススで汚れてしまう外側の生地は捨て、中身だけ食べていたそうです。

今では、外側のパスティ生地も美味しく食べるのが普通ですが、たっぷりのパスティ生地とパンパンに詰め込まれたお肉&野菜を食べると、ハイカロリーでとことんお腹いっぱいになる代物です。

実際にCornwall旅行の際に食べた本場のCornish Pastyはこちらの動画の9:15頃に登場します。

※写真をクリックするとYoutubeの再生ページにアクセスできます。

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テクニカル・チャレンジ

当日に作る課題とおおまかな手順を渡され事前準備の機会は与えられない、参加者の知識と技術を評価するためのチャレンジ。

今回はラズベリーエクレア3つと塩キャラメルエクレア3つを作ることが課題でした。

エクレアを作ったことはあったとしても、レシピを見ずに作ったことはありますか?

なんと今回参加者が渡されたレシピの1行目は「1. シューペイストリーを作る」それだけ。どういった手順でどの分量の材料を混ぜるのか、親切な説明はありません;

初期の頃のベイクオフを見ると、手順はしっかり説明が付いていたようなので、シーズン11にもなると参加者のレベルが相当に上がり、しっかりしたレシピを渡すと誰でも作れてしまうのでしょうか… 課題のお菓子の作り方そのものをしっかり理解して記憶していないと、最終的に何もプレゼンするものが無い危機もありうる、そんな難しいチャレンジです。

今回のテクニカルチャレンジ1位は最年少20歳のPeter君でした。

理想通りの見た目にデコレーションに指定されたナッツのキャラメルがけまでしっかり作った、素晴らしい仕上がりでした。

ショーストッパー・チャレンジ Show stopper

最終チャレンジはCaged tart。ケージに入ったタルト…

一体どんなものなのか…?ベイクオフは発想力とそれをいかにお菓子で再現するかも勝負で、この素材だとこれくらいの強度がある、、こんな形もできる…など、幅広い知識が求められる、本当に本当に難しいチャレンジばかりなのです!

Caged tartというのは、どうやらペイストリー生地で作った籠や網等のカバー(ケージ)でこだわりのタルトを包んだ/覆った見た目にもゴージャスで精巧なものが求められました。例えば、パイ生地で編んだバスケットを出来上がったタルトに乗せるような…そんな感じです。

そんなショーストッパー・チャレンジから、とっても美味しそうだったPeterのブラックベリー&レモンのタルトを作ってみました!

ベリーとレモンの酸味がしっかり効いたこのすっぱいケーキは、ジャッジのPaul曰く酸っぱさでほっぺたの奥がキューっとなる、その結果勝手に口角が上がりスマイル顔になっちゃう笑顔になるケーキとのこと:)

なんだか幸せそうなケーキだなぁという事で作ってみましたよ。

Blackberry & Lemon Tartの作り方

公式レシピ(英語版)はこちら

 

材料:20cm丸型1台分

タルト生地

ヘーゼルナッツ 50g

小麦粉 150g

無塩バター 100g(角切り)

粉糖 75g

塩 小さじ1/2

全卵 1個(卵白と卵黄に分けておく)

レモンフィリング

レモン果汁とゼスト 2と1/2個分

砂糖 75g

生クリーム 85g

全卵 L2個

卵黄 L1個分

ブラックベリーカード

ブラックベリー 400g

レモン果汁 1/2個分

卵黄 L2個分

全卵 L1個分

砂糖 75g

板ゼラチン 1と1/2枚

無塩バター 85g(角切り)

(以下トッピング用)

レモンの砂糖煮

砂糖 50g

レモン 1/2個(輪切り)

ヘーゼルナッツのキャラメルがけ

砂糖 25g

ヘーゼルナッツ 10粒

ブラックベリー

 

手順:

1. タルト生地を作る。ヘーゼルナッツをフードプロセッサーで細かく粉砕し、小麦粉、バター、粉糖、塩を入れポロポロとするまでパルス機能を使って混ぜる。ボールに出しラ脳、大さじ1の水を混ぜる。この時先の丸いナイフのような物を使用すると混ぜやすい。生地がひとまとめになるまで手で捏ねたら、平らにしてラップで包み冷蔵庫で30分~1時間冷やす。

2. 打ち粉をした作業台に生地を出し、生地を半分に分ける。半分を22cmの円形に延ばし、オーブンシートを敷いておいた型の底に敷く。

3. 残りの生地を65cm程の長い棒状に延ばしたら、4cmの幅に平に延ばす。延ばした生地に打ち粉をしたら端から巻いていき、型に入れる。

4. 巻いた生地を型の側面に沿ってくるくると広げていく。底面と再度は軽く押すようにつなげる。冷蔵庫で30分冷やす間にオーブンを220℃に予熱する。

5. タルト生地にアルミホイルを被せたら重しようのビーンズをのせ15分焼く。ホイルとビーンズを取り除いて更に10~12分黄金色の焼け色が付くまで焼成する。焼き上がりに分けておいた卵白を塗り更に1分焼く。オーブンから取り出したら、温度設定を170℃に変更する。

6. タルト生地を焼く間にレモンフィリングを作る。レモン果汁100mlを計量し、ゼスト、砂糖、生クリーム、全卵、卵黄をいれてホイッパーで良く混ぜる。焼きあがったタルト生地に流して16~18分焼く。焼き上がりはフィリングは固まっているものの中央はまだふるふるとする程度で良い。冷めたら型から外す。

7. レモンフィリングを焼く間にブラックベリーカードを作る。ブラックベリー、レモン果汁を小鍋にいれ中火で約5分加熱する。潰せるほど柔らかくなったら、網で濾して皮と種を取り除く。

8. 7のブラックベリーピューレを小鍋に戻し、200g程度の量になるまで弱火で煮詰める。煮詰まったら、卵黄、全卵、砂糖を加え弱火に掛けながらよく混ぜる。カードにとろみが付き温度が75℃になったら火から下ろし数分冷ましておく。

9. 板ゼラチンを氷水に3分程つけてふやかす。水を切って8に入れ、角切りにしておいたバターも加え良く溶かし混ぜる。ラップをかけ少し冷ましたら、6のレモンフィリングの上に流す。冷蔵庫で2時間以上冷やし固める。

10. トッピングを作る。レモンの砂糖煮は、分量の砂糖に50mlの砂糖を加えて中火に1~2分かけて溶かしたら、レモンの輪切りを加えて弱火で10分程軽く煮る。取り出して水気をきったらくっつかないよう離して冷ましておく。

11. ヘーゼルナッツのキャラメルがけを作る。ヘーゼルナッツ一粒ずつにつまようじを挿す。砂糖を小鍋に入れ、中火にかける。この時、砂糖が溶けきり、キャラメル色になるまでかき混ぜないように。良いキャラメル色になったら、鍋の底を濡らし布巾につけ、これ以上調理が進むのを防ぐ。

12. つまようじに挿したヘーゼルナッツをキャラメルにくぐらせ、重みのあるまな板や板と作業台の間に挟む。この時キャラメルが床に垂れるので、新聞紙などを敷いておきます。キャラメルは自然と下方に垂れ、ツノのような形に冷えて固まります。冷えたらつまようじから外します。

13. 冷えたタルトに残しておいたブラックベリーと用意したトッピングで飾って完成!

 

とっても作業工程が多いですが、とびっきり美味しかったです。

酸味がとっても美味しい、キュッと口角が上がって笑顔になる、ハッピーケーキです。

ぜひお試しください☆

 

おわりに

今週のStar Bakerは、今回が初スターベイカー獲得となるLauraでした!ご紹介したPeterのケーキも最高に魅力的で実際にも美味しかったですが、Lauraのタルトもとっても繊細で美味しかったようですね。

惜しくも敗退となったのはLindaです。LindaはPastryは得意科目と言っていたのですが、うまくいかない時はとことんうまくいかないもので、Cornish pastyがSamosaになっちゃったり、タルトも理想のケージが作れず地味なタルトだけになってしまったりと、なんとも残念な結果でした。Lindaさん、お疲れ様でした。

 

次回はなんとBake off史上初となるJapanese weekです!

どんなBakeが登場するのか、お楽しみに!

 

Shikka